紹介

19世紀の終わり頃、イギリスのSF作家H.Gウェルズが「タイムマシン」という空想物語を著した。「タイムマシン」、今の世の中これを知らない人はいないだろう。現在から未来へ、未来から過去へ自由に行ける乗り物は人の心を魅了してやまない。
しかしタイムマシンは果たして作ることができるのだろうか?未来に行くことは相対性理論では可能らしい。高速に近いスピードで飛行する宇宙船の中での時間の進み方は、地球上での時間に比べてとても遅く、他の星に行って帰ってくれば浦島太郎の世界が待っている。結果的には宇宙船は未来行きのタイムマシンとなる。
では逆に過去へ行くことは・・・これも相対性理論では可能らしいが、有名なイギリスの理論物理学者スティーヴン・ホーキング博士は時間順序保護仮説の中でこれを否定している。確かに未来からの観光客に会った人はいないだろう。
しかし、もしも過去に行くことが可能ならばどんなことが起こるのか。宝クジも馬券も結果が総てわかっているのだから、行った人は大金持ちになるだろうし、そもそも人生につまずくこともなくなるだろう。罪を犯すこともなくなり、反省という言葉さえいらなくなる。
でも現実は決してそうはならない。どんなに過去を振り返っても、そこにはただ風が吹いているだけなのだ。自戒を込めて。
timematine
診療室にて

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